起業におけるマーケティング
2018年4月28日マーケティング
マーケティングは、市場において顧客を獲得し、つなぎとめるために行います。
まだ顧客が少ない、あるいは全くいない状態の起業家にとっては欠かせないものです。
起業したばかりのころは、多くの場合マーケティングに必要な資源が限られており、
大規模な市場調査や広告をすることのできる大企業と比べて不利な状況です。
そのため、創造的で費用のかからないマーケティング手法を実行しなければなりません。
また、アクセスできる市場情報が限られており、起業家個人の思い込みがマーケティングに悪影響を与えてしまうこともあります。
非常に限られた範囲の顧客を想定し、その人たちに熱狂的に受け入れられるであろうという予測を立てることもあります。
その他にも、競争相手を適切に評価できなかったり、流通に関する情報が不足していたりすることもあるでしょう。
つまり、マーケティングとは複雑かつ起業には必須ということ。
丁寧に解説してみたいと思います。
マーケティングの対象
マーケティングをする対象は、顧客、つまりあなたの商品やサービスを最終的に購入してくれる人々だけではありません。
売上を確保するために顧客との関係を構築しなければならないのは当然ですが、
投資家、従業員、一緒にビジネスをする相手などとの関係を構築する必要があります。
あなたのアイディアを投資家や潜在的な協力者に売り込めれば、起業のプロセスにおいて大きな助けとなり得るでしょう。
顧客だけでなく、ビジネスをする上で関係を持つ人のことにも意識を向けましょう。
市場調査をする
よい事業機会を発見するためには、起業家個人のアイディアや知識、情熱だけでは足りません。
起業家が市場調査をすることで、誰に売るのか、価格やデザイン、市場の将来の変化予測などの答えを見つけることができます。
市場調査をするためには、業界団体や研究機関が公表する統計調査や研究の報告書を使うことができます。
もしできる状況にあれば、面談や、サンプルを抽出して実験をする方法もありますが、
規模が小さいと統計的な有意性には限界があります。
また、市場調査をする会社に調査を依頼するという方法もあります。
もっと簡単に市場調査をする方法としては、「Yahoo知恵袋」や「教えてgoo」を使うやり方があります。
これらの質問を投稿できるサイトには、いろいろな疑問や悩みが載っています。
投稿されたものを見ていると、どのようなことに疑問や悩み、不便を感じてるのか見えてくる部分があります。
あなたの商品やサービスによってどのような価値を提供したいのか、それを必要としている人の悩みにはどのようなワードで検索すれば辿り着けるのかを考えてみてください。
これらのサイトから抽出した疑問や悩みが、起業家がどのような価値を提供すればいいかのヒントになるでしょう。
なぜあなたから商品やサービスを買うのか
これを知ることが、マーケティングをする主な目的の一つです。
もちろんいろんな理由が考えられますが、根本的なところは、それが必要だからというのが一般的かと思います(付き合いで無理やりとかもあるかもしれませんが)。
ニーズがあるという言い方をする場合もあります。
私は人が物を買う理由は大きく分けて2つあると思っています。
(1)今ある苦痛を楽にしてほしいから
(2)より快適なものを手に入れたいから
ということは、まず、あなたの商品・サービスが苦痛を楽にするものであるのか、快適なものであるのかに当てはまらなければなりません。
当然、世の中に役立つものでビジネスをお考えと思いますので、当てはまらないということはないと思いますが、
ここで重要なことは、そのことをきちんとお客様に伝えるということです。
「どんな商品か理解できない。」
商品やサービスの売れない理由でよくあります。
そのサービスを購入するとこんな素晴らしい結果が待っている。
そういうところを、小学生にもわかるような言葉で説明することで、ようやくその商品を理解することができます。
分かりやすくメリットを伝えるには
いろいろメリットを書くものの、たとえば、「オートメール機能」「格安コーディング」「お得な買取システム」などの専門用語がイメージできないということがありますので、そこは要注意です。
多分説明されれば理解できるのかもしれませんが、なんかすごそうくらいの感覚ではお客様の心には響きません。
直感的にメリットを感じてもらわなければ、お客様に買っていただけません。
私は前職で印刷会社の営業をしていましたが、そこを一番意識していました。
新しい印刷物の提案を行うとき、どうすれば直感的にイメージを作っていただけるか。
やはり、そこでは費用を掛けてでもサンプル品を作りました。
もちろん自主提案ですので、他社の製品の方がいいと判断されれば、サンプル作成費用は回収できません。
しかし、そこは先行投資で、お客様にこの商品を買いたいと思ってもらわなければいけませんので、近道としてそういう方法をよく使っていました。
まずは自分が購入するものを理解してもらうことです。
そうすると、やっぱり勝率も格段に上がってきます。
以前ホームページを作ろうかなと問い合わせをしたときに、大抵の会社は
「何ページくらいですか?」
というような基本的な質問をして見積もりを出してという流れです。
ところが、私が依頼した会社は、デザイン案も見積もりと一緒に出すんですね。
そのデザインが気に入ると、多少の価格差は埋まり、何よりも受注率が上がったと言っていました。
ホームページ会社に依頼するときに一番不安なことは、どんなデザインが上がってくるか、自分のイメージと違うものが出来たらどうしようというところです。
そういった不安をデザイン案を出すことで解消し、購入するものを理解してもらうことで、受注確率を高めています。
マーケティングを疎かにしない
マーケティングをすることによって、誰がどんなことが必要とされているのか、それを踏まえて何を提供すべきなのかを理解することができます。
繰り返しになりますが、このようなことは今持っている起業家個人の知識や経験、情熱だけで全て補えるものではありません。
起業家が使うことのできる手段を用いることで、失敗する確率を下げることができます。
マーケティングによって、顧客と起業家をつなぐことができるのです。