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コラム

社会保険、本当にこの意味知っていますか?

2018年4月12日基礎知識

  「パートやアルバイトでも社会保険に入らなければならないの?」 「社会保険と国民保険の違いがよくわからない」 「そもそも社会保険ってなに?」 起業して人を雇うとなると、アルバイとや従業員の保険加入が必要になります。 細かくて面倒な話かもしれませんが、働きやすい環境づくりのためにも重要です。 中小企業の多くは、ビジネスモデルが悪いからではなく、人手不足のために倒産しています。 魅力のある職場づくりのためにも、保険など細かいところをしっかりしておくことは大切です。 このページでは、社会保険に関する基本的な情報から、起業家も知っておくべき社会保険の加入条件までお伝えしていきたいと思います。

そもそも「社会保険」とは?

よく「社会保険」という言葉を耳にしますが、 一般的には「健康保険」「厚生年金」の3つが含まれます。 「雇用保険」と「労災保険」を含める場合がありますが、このサイト内の他のページでそれらについては書いているので ここでは、「健康保険」「厚生年金」の2つを合わせたものを「社会保険」と定義して使用します。 健康保険は、私たちがけがや病気で病院を利用した際、 自己負担が3割ですむようにするためのに毎月給料から天引きという形で払っているお金です。 企業に勤めている方やその家族の方ですと、健康保険証というものを 持ってらっしゃると思いますが、それが健康保険に加入している証明となるものです。 病院であの保険証を使ったことのある方は多いと思いますので、身近な保険ではないでしょうか。 厚生年金は、会社(法人)勤めのサラリーマンや公務員の方が加入する年金です。 自営業の方や従業員数が五人未満の事業所などの例外を除いて、基本的期には全員加入しなければなりません。 自営業の方などは、国民年金という年金に加入することになります。 国民年金は、厚生年金に比べて毎月払う金額が少ないですが、その分年金として もらえる金額も少なくなります。

社会保険の加入条件は?

気になる社会保険の加入条件を見ていきましょう。 大まか言えば、社会保険には、いくつかの例外を除いてほぼすべての会社(法人)が 加入しなければなりません。 ではまず、「社会保険」のうちの健康保険と厚生年金の加入条件を見ていきます。 厚労省のHPによると、 (1)国、地方公共団体または法人の事業所 (2)一定の業種(※)であり常時5人以上を雇用する個人事業所 (※一定の業種・・・製造業、土木建築業、鉱業、電気ガス事業、運送業、清掃業、物品販売業、金融保険業、保管賃貸業、媒介周旋業、集金案内広告工業、教育研究調査業、医療保険業、通信法同業など) という二つの条件にあてはまる事業所で働く労働者には、強制加入となります。 つまり、法人格をもつ事業所であれば、皆加入しなければならず、 また、多く農林水産業などを除いた、五人以上の従業員を雇用する 会社でも加入しなければなりません。 保険料はいずれも会社と本人(被保険者)が半分ずつ支払うことになります。

パートやアルバイトでも加入しなければならないのか?

正社員だけでなく、パートやアルバイトの場合も、社会保険の加入要件となる場合があります。 再び厚労省の定義を援用すると、 「1日または1週間の労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の分の4分の3以上あれば加入させる必要」 があるとされています。 しかし、平成28年10月以降、パート・アルバイトへの社会保険(厚生年金・健康保険) の適用条件が変更になりました。 変更後は、501人以上の従業員の会社に勤める場合(※)、 週20時間以上働き、かつ1か月あたりの給与が8万8千円以上(賞与・残業代・通勤手当除く)の場合、 新たに加入できるようになりました。 (※)従業員の数に関しては、既に社会保険の加入対象となっている従業員の数でカウント ですので、多くの従業員を抱える会社の場合、新たに加入させなければならない 従業員の数が増え、法改正の影響を受けることになります。

社会保険未加入事業者の取り締まり強化

2016年1月14日付の朝日新聞によれば、厚生年金に入る資格があるにも関わらず 負担額が少ない国民年金に入っている人が200万人、また、違法に厚生年金に加入していない 可能性のある事業所が79万か所存在するとして、厚労省が緊急調査に乗り出す事態に発展していることを伝えています。 調査票を送り、必要ならば会社に訪問の上加入指導を行ったり、立ち入り検査を行うつもりだということです。 社会保険への加入義務を怠った場合には、「6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金」という法的な罰則も存在します。 さらに、追徴金という制度があり、未納分の社会保険料を最大二年間さかのぼって支払わなければならない事態に陥ることもあります。 例えば、東京都の会社で、ある男性の従業員の社会保険料に関して、彼が30歳〜32歳の間の二年間分の追徴金を請求されたとしましょう。 (健康保険料2、888円/月+厚生年金 8,736円/月)×二年=27万8,976円 本来ならば毎月コツコツと積み立てていくものなのですが、追徴金として請求されると、一気にこれだけの金額を支払わなければなりません。 上記の計算はあくまで一人分の保険料に関する計算ですので、もし一つの事業所で働く全員が加入していなかったなんてことになれば、 はるかに大きい金額を支払わなければならない可能性もあります。 従業員が5人・10人と増えればそれだけ会社負担も増えますし、給与が高ければ保険料も上がるので、その分が未納であれば、会社への追徴金のダメージも大きくなります。 高齢化社会の進展やマイナンバー制度により、今後保険料未納の事業所に対する取り締まりは厳しくなることも予想されますし、たとえ指導や罰則を受けなかったとしても、会社で働く人にとって大切な保険です。   また、新しく人を採用する際にも、応募してくる人にとっては社会保険が備わっているという条件は、基本的で大切なことです。 特に、最近は福利厚生の充実を会社に求める人も増えていますので、 会社が保険に加入してくれない、というのはマイナスな印象を与えます。

介護保険とは

最後に、「介護保険」に関してもお話しようと思います。 介護保険は、通常社会保険の中には含まれない場合が多いですので、最後に区別して簡単に書きます。 介護保険は、40歳になると加入しなければならない保険です。 もう少し厳密に言うと、40歳になる誕生日の前日から徴収が始まり、健康保険に加入している40歳〜64歳までが介護保険料の徴収対象となります。 この保険によって、65歳以上になり、介護が必要になった場合、介護サービスを受けることができます。 訪問介護やデイサービス、介護施設の利用に際していつでも介護サービスを利用できるようになり、これからの極度な少子高齢化社会を考えても重要な保険でしょう。 また、65歳以上にならないと何にも利用できない保険、というわけでもありません。 被保険者となる40歳〜64歳までの間は、骨折を伴う骨粗しょう症や認知症、末期ガン など、指定された16種類の特定疾病にかかってしまった場合、介護サービスの対象となります。

まとめ

「会社の負担になるから社会保険には入りたくない」 「保険料をできるだけ安く済ませたい」 「ばれなければ加入しなくても大丈夫だろう」 このように感じる方もいらっしゃるでしょう。 確かに、保険料の支払いは、会社にとっても、そして給与から天引きされる従業員にとっても負担です。 しかし、普段からコツコツ払っておくことで、いざというときにお金をもらうことができ、日々安心して働くことができるのです。 社会保険、介護保険ともに働くのが困難になったときに、あなたやあなたの家族の負担を軽減しサポートしてくれる大切な保険です。一生懸命に働くためにも軽視せずに、一度向き合ってみませんか。
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